新東京物語

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zoom RSS 新宿の森で

<<   作成日時 : 2008/09/22 16:51   >>

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『The etude for Neeju-ku』
タロットカード裏面のためのエチュード


「はぁ〜。よくこんな大都会で頑張ってきたよね…」
東京で一番古い友人が『新東京物語』を観に来た帰り、
新宿中央公園をトコトコと歩きながら、
空を貫くばかりの都庁を見上げ、ため息まじりに言いました。
「うん。私の家は、この公園を抜けた向こう側。すぐそこ」
隣を歩く私が言うと、すぐさま友人は、
「ふぅ。あのギャラリーは素晴らしいロケーションだよね」
その時、新宿の緑濃い公園の森ではヒグラシがザワザワ〜と響き、
夏の終わりと秋の始まりを告げておりました。
展覧会最終日の1コマです。

『新東京物語』が終わって幾日、
9月も残すところわずかとなりました。
秋がいよいよ深まりを帯び、
あの6日間はまさに夏と共に去っていったと感じますが、
ときどき ご来場のみなさまから頂戴した言葉が思い出されます。

「公園の緑の中を歩いてギャラリーへ向かう。
 このときから“物語”は始まっていたんですね。
 展覧会は小宇宙のようでした」

「ギャラリーを出ると、突然に音が戻ってきました。
 なかなか不思議な空間でした」

「新宿のど真ん中に、こんな森があるなんて知らなかった!
 居心地のいい展覧会でした」

私が『新東京物語』の会場を、
新宿中央公園内の「エコギャラリー新宿」に選んだのは他でもない、
私が描いた『タロット☆ニージュ区物語』の主たる舞台だから。
22枚の作品のうち半分の舞台が公園となっているように、
私はこの公園が、いえ、人工の森が大好きです。
森があったから、森に一目惚れしたから、
私は西新宿の十二社(じゅうにそう)と呼ばれる土地に暮らすことを決めました。

高層ビル街の隅っこにある十二社。
不思議なことに、いつの頃からか私は
この土地に“水の気配”を感じるようになりました。
まるで水の流れに漂う浮遊感…。この感覚はなんだろう?
土地のことを調べてみると、
かつては「淀橋浄水場」があったこと、
遠く江戸には広重が「江戸百景」にも描いたという
大きな池と滝があったことがわかりました。
浮遊感は水に関わってきた土地ゆえか〜
私の絵の中に「魚」がよく登場するのはそんなわけなんです。

今では町の様子は一変、埋め立てが進み、高層ビルが建ち並び、
水の名残りはバス停の名に残るだけで、ほとんど見られませんが、
実は「エコギャラリー新宿」が位置するところに、
かつての名滝「十二社の滝」があったといわれています。
また公園の森には、いくつかの水飲み場と
「新宿白糸の滝」と「新宿ナイアガラの滝」という、
ふたつの人工の滝が造られていて、今も森を潤します。

『新東京物語』を観に来てくれた京都の友人が、
公園の森を散歩しながら、こんなことを思ったそうです。
「人って、水場、水場に集まるんやなぁ。
 水があるところに人が集ってるわ〜」

『新東京物語』は6日間という短い会期にもかかわらず、
521人という来場者に恵まれ、
盛況のうちに終了することができました。
本当に幸運なことで、なんだか私は
幻の「十二社の滝」のエネルギーが
ギャラリーに満ちていた、そんな気がしてならないのです。
「水の力」に人々が吸い寄せられるかのごとく、
展覧会が「水場」になったのではないか…と。

また、展覧会の設営にあたり、ギャラリーの壁面の一部を取り外し、
外から展覧会の様子が見えるようにしたことも幸いしました。
水場に集まるように、何人もの方が散歩の途中で立ち寄ってくださいましたし、
ギャラリー内からも公園の緑が見えたことで、場が和やかになりました。
ご来場くださった皆様には今一度、心から御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
画像

そうして忘れてならないのが
水をイメージさせるためのカヌーを2艇、
WORKSさんとkaffeeさんに展示協力いただけたこと、
18名のクリエーターさんが
「それぞれの東京物語」を手に集まってくださったこと。
全てが水のように流れ、潤っていました。
みなさんは一人ぽっちで東京にやってきた私が
この地で縁あった方ばかり、まさにお一人お一人が「私の東京物語」。
掛替えのない物語をありがとうございました!

大都会・西新宿は十二社に暮らして13年。
へこたれずに根を張れたのは、
「目に見えないもの」を感じられたおかげだと思っています。
それは人の心であり、
水をはじめとする自然のエネルギー。
「全ての目に見えるもの」は「見えないものの結果」と言うように
私は『タロット☆ニージュ区物語』に見えないもの=神秘を残しました。
が、それは自身の技というより、
十二社の浮遊感がくれた恵みである、そう思えてなりません。

展覧会を開催するにあたり、
ひとつの問いかけを何度も繰り返しました。
「あたなにとって東京とは?」
私の答えは「東京を見つめるアート展『新東京物語』」で
再認識することとなりました。
当の展覧会は終了し、和やかな空間は消えてなくなりましたが、
確実に残ったものがある、それはやはり目には見えないもの、です。
十二社から池や滝が消え、高層ビルが建ち並び、
まったくに風景が変わっても変わらないもの、
それが「私の東京」。


『新東京物語』は終了しましたが、
展覧会に関わった方々の物語はそれぞれに続く、
終わらないのです、物語は。
が、当ブログの更新は一区切り、ピリオドを打ちましょう。
とはいえ今後もずっとブログ自体は存続しますので、
時折フラリと遊びに来てくださいね。
ヘタク書な文章とユルイ写真ばかりでお目汚しではございますが。

更新を続けてきた私は11月5日から2週間、
代官山のアートラッシュで、
いよいよ東京のフィナーレ個展『さよなら。東京』を予定しております。
次にお会いできるご縁を楽しみに、 それでは
みなさま ごきげんよう〜!

『新東京物語』幕

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2008年9月20日 「熊野神社大祭」十二社 於て

5*

参考リンク
★『十二社・幻の池と滝」広重の錦絵もあります
★『エコギャラリー新宿』 天井が高く設備が整った区民ギャラリーです。おすすめ!
★5*のブログ『cinemazoo』今後はこちらにもどります

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
タロットを販売する予定はないのですか?
もっとも販売するなら大アルカナと小アルカナ含めてですけど。
March Hare
2008/09/23 10:27
March Hareさん
先日は観にきてくださって
ありがとうございました!
タロットねぇ…
ただいまスポンサー募集中〜。
とりあえず大アルカナ22枚と「物語本」のセットを
先行で考えていますが、見通しはまだまだ…。
まずは私が物語を完成させないとねぇ。
「クトゥルフ神話」のように未完にならないよう
がんばりまーす。
小アルカナを含めた「タロット完成版」については
おそらく早くて3年後に動き出せたらと思っています。
よい知恵があったら教えてくださいぃぃぃ。
5*
2008/09/24 01:06
任天堂にでも売り込みますか。(爆)
三省堂でタロットフェアをしていたなあ。
東急ハンズあたりに売り込むのも手かもしれませんね。

よく知らないけど、トランプの方がタロットより古いんですよね?
トランプと麻雀は親戚なんですよね?
何れももともとは博打に使われたわけで、タロットは後からカードに意味が付加されて占いに使われるようになったんですよね?
(この点で麻雀がもっとも本来の使われ方をしている)
March Hare
2008/09/24 09:50
マーチさん!
ええこと言う!
任天堂に知り合いがいるのを思い出したわ〜。
駄目元でお話させてもらおっ。

そうそう、トランプの方が先です。
麻雀が関係しているかどうかは不明ですが、
トランプの起源は中国のカード遊びです。
タロットの歴史は意外に浅くて、
18世紀に占星術を取り入れて占いに使われだし、
現在のスタイルになったのは19世紀イタリアで
哲学者、天文学者、数学者が
タロットの意味を掘り下げたそうですよ。
5*
2008/09/25 03:36

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